★甘えん坊な彼★~番外編~
なんだかんだ言って、一緒に行動していた遥香と俺。
――そんなある日。
「…うぅ。やだ~。…ひっくっ。」
朝からこの調子のお嬢様。
「…どうしたんだよ?」
俺が聞いても…、
「…やだやだー。」
答えてくんないし。
ここまで泣くのは、初めてだ。
かなり嫌な事があったんだろう。
俺が困ってた時、助け舟が来た。
「遥香、まだ泣いてたの?」
呆れ顔の春樹。
「…春樹ー。やだ、やだぁ。」
春樹のとこに行く遥香。
「…何なんだ?」
俺は言った。
「…俺さ、来月に引っ越すんだよね…。」
…へぇ~。
「って、引っ越しっ!?」
「うん。今日の朝伝えたら、ずっとこれ。」
春樹がため息をついて言った。