金魚玉



ふ、と。

視線が交差した。


「み……………」


声は途切れたけれど、

確かに、

彼の口は「み や こ」と動いた。


あ、まずいと思って顔を伏せてしまった。

多分、ひどく歪んだ、ちっとも綺麗じゃない顔をしている。

「どうしたの?知り合いでもいた?」

鈴を転がすような声。

ああ、わかる。

弱くて、守りたくなる感じ。


「いや、なんでもないよ」
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