金魚玉



嫁様の声に、厨房の手伝いの子供がやってきた。

―――― ああ、あの子は。

彼はよく私を眺めにやってきた子だった。

そして私を眺めては、笑顔になっていた。


「早く、早くどこかへやって!!」

嫁様は心底気持ち悪そうに命令をした。

彼は状況を把握し、駆け寄ってきた。

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