夜の王様
「よし。今日はバイトないから男でも探すか」


そう呟きながら施設を去ろうとすると、


「悠里ちゃん!」


私を呼ぶ小さな男の子。


「藍-アイ-くん!」


藍くんは何年か前に来た男の子。


この子もまた、親に捨てられてしまった。


目がくりくりしてて、愛らしい可愛い男の子。


私は藍くんの前まで行き、目線に合わせるよう屈んだ。

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