夜の王様
少し歩いていると、遠くからでも分かるくらい周りとは違う雰囲気の男が向かってくる。


なんとなく。


なんとなくだけど金を持ってる気がした。


だって、あんな高そうなブランドもん首に引っ提げて。


高そうなスーツ、高そうな靴。


だから私は咄嗟に通り過ぎようとした男の腕を掴んだ。


これが、私がたまたま選んだ男。


何故、私はこの男を選んだのか。


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