Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
《10》拉致

―紗月side-

「ゴメンなさい…紗月」


「うん」



私は美央に呼び出され、表参道にあるカフェテリアで待ち合わせした。


「相手はどんな人なの?」


「あ…うん。会社員と言うか…」


美央には本当のコトを話したかったけど。


怜が口止めを頼んだ。後先のコトを考えてのコトだろう。


美央は私の高校時代の同級生で、短大に進学を機に上京。

短大卒業後は、念願の幼稚園の先生にとなり2年目を迎える。


去年は新任で、園児達に振り回されていたが…2年目ともなると少しだけ余裕が出て来たようだ。



「裕也の借金を返済してくれていい人ね…今度ちゃんと紹介してよ」


「うん」





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