Fake love(1)～社長とヒミツの結婚契約書～

彼らは私の夫が怜だと知って難癖を付けてお金を騙し取ろうとしていた。



「奥さん…あんまり…俺達に減らず口は叩かない方がいい。後ろには沢山のケダモノがいる。奥さんの貞操の保証は若頭の俺にも出来ないぞ」



私の身体を厭らしげに舐め回すような視線で見つめる組員達。

羽織っていたカーディガンのボタンを思わず留めてしまった。



「神楽坂社長に連絡つきました。若頭」

私の取り立て役の後藤さんが若頭に報告する。

「ご苦労だな。向うの反応は？」



「奥さんを拉致られて、相当動揺しているような声でした…」



「奥さん…愛されてるね…」