Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
―怜sideー
来週、土曜日に開店する幕張店の視察に足を運んだ。関東エリアでは我が社、最大のショッピングモールとなる幕張店。
2階の店舗エリアはまだ、8割方の完成で急ピッチに工事が進められていた。
巡回を終えて、店長室で一息ついた刹那、瀬川が俺のスマホを差し出す。
「どうした?瀬川」
「ここでは…ちょっと」
瀬川は血相を変えて語尾を濁した。
「すまない。大久保店長…少しばかり席をはずす」
俺は瀬川に促され、店長室を出て人気のないバックヤードに向かう。
「一体どうした?瀬川」
「紗月様が…『ドリームローン』の取り立て屋の男に拉致られたました」
「借金は全額返済したはずだ。ヤツらは何の為に紗月を拉致った?」
俺は瀬川に預けたプライベートのスマホを受け取り、着信履歴を見てかけ直した。
2階の店舗エリアはまだ、8割方の完成で急ピッチに工事が進められていた。
巡回を終えて、店長室で一息ついた刹那、瀬川が俺のスマホを差し出す。
「どうした?瀬川」
「ここでは…ちょっと」
瀬川は血相を変えて語尾を濁した。
「すまない。大久保店長…少しばかり席をはずす」
俺は瀬川に促され、店長室を出て人気のないバックヤードに向かう。
「一体どうした?瀬川」
「紗月様が…『ドリームローン』の取り立て屋の男に拉致られたました」
「借金は全額返済したはずだ。ヤツらは何の為に紗月を拉致った?」
俺は瀬川に預けたプライベートのスマホを受け取り、着信履歴を見てかけ直した。