Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「もしもし…神楽坂だ。妻の借金はキチンと返済したはずだが…」


―――――申し訳御座いません…こちらの計算ミスでまだ、利子の分が残っていましてね…


「いくらだ?」



―――――一億です




「はぁ?」


紗月の彼氏が借りた金は300万。法外な利子も甚だしい。怒りを通り越して呆れ果てた。



「貴様らのしているコトは犯罪だ!!」



―――――その通りです。神楽坂社長…




後藤はあっさりと普通に返す。かえってそれが俺の背筋を凍らせて言葉を失わせた。



――――――…1億用意して頂けるのですか?



「紗、紗月…妻は無事なのか!?」



俺は紗月の身を按じる。




――――今の所は…でも…貴方の出方次第ですよ…警察には決して言わないで下さい




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