Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
松平さんは伊集院警視の言葉を呑んで、私を解放した。



「君が紗月ちゃんか…俺は怜の高校時代の悪友の伊集院佑介だ」


「ありがとうございます…」



「俺の目がある以上、松平達も君に二度と近づいて来ないよ…」



ビルの外に出ると、陽が落ちて空は暗闇に包まれていた。



「怜は俺のワゴンで待機している…」


私は、伊集院警視と一緒に怜の乗ったフルスモークの黒のワゴン車の後部座席に乗り込んだ。


「紗月…」


乗り込んだ後部座席の隣に怜が座っていた。



「無事にお前のハニーを救ったぞ。怜」



「サンキュー、佑介」


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