Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
私は彼の欲望に蹂躙された身体を引き摺って、朝方バスルームでシャワーを浴びた。


髪も身体も隈なく綺麗にして、お湯を出したまま、シャワーヘッドを引っ掛ける。




頭のてっぺんからつま先まで滝のように流れ落ちる湯に打たれた。



私の全身にかかった湯はそのまま排水溝を流れていく。



否応なしに過ぎていく時間。


時が経つにつれて、怜の存在が私の骨の髄にまで叩きこまれる。





彼への愛を素直に受け入れて見返しは求めず、彼の子を産む道具になろうと思ったが。



辛く苦しい現実に心が揺らいで、挫けそうになる。


私はシャワーヘッドを仰いで、瞳の涙を流した。


怜のいない夜は考えられないーーー・・・


彼の夜は私が独占する。








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