Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
聖さんの存在は、偽りでも甘い私達の生活に波紋を広げる。


「聖はまだ、寝てるのか?」


「はい」


私は一応、3人分の朝食を用意した。



「俺が起こしてくるよ」


「私は起こして来ますよ」


「何言ってんだ?アイツの寝起きの酷さは俺は良く知っている…俺が起こしてくるから…紗月君はコーヒーを淹れてくれ」



怜は聖さんをやたらと構う。それは、愛情からだろうか?

怜が私に注ぐ愛は嘘であって、怜が聖さんに注ぐのは本当の愛。


私の胸にチクッと針が刺さったような痛みが走る。



私は怜の様子を見に、聖さんの部屋に足を運んだ。



「怜…聖さんは起きました?」


私は開いたドアを軽くノックして、中の様子を伺う。


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