Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「いってらしゃい。怜」


「いってくるよ」


私は怜のブリーフケースを渡す。


怜は聖さんの気配を気にしているのか…昨日の夜は求めて来なかった。
いつものセレモニーのいってきますのキスもなさそう。

振り返るとリビングの入口から、聖さんがジッと玄関先を見ている。



怜はドアのチェーンの施錠を外して、ドアのレバーに手を掛けた。



「怜、忘れ物…」


「忘れ物?」



私は怜が振り返った刹那、歩み寄って爪先立ちして軽く唇をキスをした。



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