Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「こんな所で会うなんて偶然ね…」


黒のパンツスーツに白いシャツ姿の円さん。

銀行頭取の秘書を務める円さんは憧れのキャリアウーマン。


「はい」



私は御手洗いで尿検査を済ませ、診察の順番を待つ。



「もしかして赤ちゃん出来たの?」


「円さんもですか??」


「まぁね…でも、私は違ったわ。単なる生理不順で遅れただけだった」



「そうですか…。円さんは一人産んでいるから、良き先輩のママ友としてなるなぁと思っていたのに」



「伊集院さん」



受付嬢が円さんの名前を呼んだ。



「私は先に帰るわ。赤ちゃんデキてたら、またみんなで集まってお祝いをしましょう」



「え、あ…はい」



円さんを精算を済ませようとソファから腰を上げた。




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