Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
私の妊娠と同時に、離婚へのカウントダウンも始まる。



「お帰り、怜…」


私は深夜に帰宅した怜をリビングで待っていた。



「紗月…まだ眠っていなかったのか?君は妊娠しているんだ。寝不足は赤ちゃんに悪いだろ?」


怜はネクタイを緩めて、シャツの一番上のボタンを外して喉仏を露わにする。



昨日とは、打って変わって妊娠した私の身体を労わる。



「これが、赤ちゃんの写真です」



私は病院から貰った赤ちゃんのエコー写真のコピーを怜に渡した。



「どれが赤ちゃん??」



「この小さな点が赤ちゃんです…」


「…これが赤ちゃん?」



怜は目を凝らしてジッと小さな点を見つめる。





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