Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「私は妻として残りの時間を怜に尽くしたいんです」



「紗月がそこまで言うんなら、夕食の支度は紗月に任せる…」



怜の方が折れて、そのまま食卓の椅子に座った。



私はキッチンに立って冷めてしまった鍋のビーフシチューを温め直す。



怜と過ごせる時間は後どれぐらいだろうか?



「怜は子供スキなの?」



「えっ?」



私は温めたビーフシチューをスープ皿に入れ、冷蔵庫からシーザーサラダの入ったサラダボウルを取り出し、食卓に並べた。



「わからない…俺の周囲には小さな子供なんて…いなかったから…」


「でも、佑介さんの所には子供が…」


「佑介の息子の司君と会ったのは一度だけだ。生後4ヵ月の話で、あれからは話でしか訊いていない」



「抱っこさせてもらった??」


「生後4ヵ月で首も座ってないんだ…抱っこなんて怖くて出来ないよ」









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