Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
俺は病室で眠っている紗月と対面を果たした。



「偶々、着替えを取りに戻った聖斗様がリビングで倒れていた紗月様を発見しなければ…」



「今ごろ、子供は流産していた…」


俺は規則正しく丸い粒を落とし続ける点滴を見つめる。


紗月の血管には脱水を補給する点滴が打たれていた。



俺は紗月の変調に気づいてあげられなかったーーー・・・



「流産を免れたのは、紗月様の努力もあると思いますよ」



「そうだな…彼女は頑張り屋だからな…」


「怜様は紗月様についててあげてください…俺は社に戻って会長に紗月様の容体を報告します」



「いや、俺が社に戻る。お前が紗月に付き添ってくれ」



「怜…様?」





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