Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
《23》交換条件
―怜side-
*********
東亜医科大付属病院・特別病棟。
俺は仕事の合間を縫い、大腸癌で入院した叔母様を見舞った。
「失礼します…」
病室には瀬川の父親が居た。
「これは…怜様…」
瀬川さんは俺に頭を下げる。
「瀬川さんが叔母様の見舞いとは珍しいですね…」
邸宅内ではお互いに忌み嫌い合っている様子で、仲が悪いのかと思っていた。
「私はこれで…失礼します…」
「ありがとう…瀬川」
「私などに…礼は無用です。お嬢様」
55歳の叔母様にお嬢様と言う呼び名は似合わないが、瀬川さんから見れば、叔母様は永遠にお嬢様。
瀬川さんは足早に病室を出てしまった。
東亜医科大付属病院・特別病棟。
俺は仕事の合間を縫い、大腸癌で入院した叔母様を見舞った。
「失礼します…」
病室には瀬川の父親が居た。
「これは…怜様…」
瀬川さんは俺に頭を下げる。
「瀬川さんが叔母様の見舞いとは珍しいですね…」
邸宅内ではお互いに忌み嫌い合っている様子で、仲が悪いのかと思っていた。
「私はこれで…失礼します…」
「ありがとう…瀬川」
「私などに…礼は無用です。お嬢様」
55歳の叔母様にお嬢様と言う呼び名は似合わないが、瀬川さんから見れば、叔母様は永遠にお嬢様。
瀬川さんは足早に病室を出てしまった。