Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
お互いに酒は飲まないと言っても、話をする場所はBARになってしまった。


いくつかの間接照明が辺りに、適当な明るさを与える。


重厚な棚には沢山のウィスキーとリキュールが並んでいた。



「この間、奥様の紗月さんに会ったよ」


「紗月から訊きました…」


「じゃあ元カレのコトも訊いたのか?」


「元カレ?」


「やはり…紗月さんは話していないのか…」


「敦司さんは紗月の元カレに会ったんですか?」



「まぁな。茶髪のチャラチャラした軽薄そうな男だった…。紗月さんに付き合っていた当時のラブラブ写真を見せて…強請っていたぞ」


「・・・」


「お前の多忙な仕事振りをそばで見てて、余計な心配は掛けさせたくなかったんだな…」


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