Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「若いのに…出来た奥様だ。いい女性を伴侶に貰ったな。神楽坂」


「敦司さんにそう言われると凄く嬉しいです…」


俺と敦司さんは同じ大学の後輩と先輩の関係。離婚後はドバイに渡ったが、1ヵ月前に日本に帰国した。

敦司さんは政治家の名家・伊集院家の長男。


当主の座は次男の佑介に譲ったが、コトある毎に佑介は敦司さんを頼った。



俺と紗月の結婚のプロセスは誰にも言えないが、今は夫婦としてキモチを重ねて生まれて来る子供誕生を心待ちにしていた。



紗月は俺よりもしっかりとしている。

尊敬する敦司さんに紗月を褒められ、思わず嬉しさの余りにも顔が綻んでしまった。




「紗月は本当に出来た妻です…」



紗月を想うと熱い一途なキモチが湧き上る。


彼女に対する愛しさで胸は一杯になった。






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