Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
俺は水割り1杯だけで『キャンディ』を出た。


「神楽坂社長…」


見知らぬ若い男性が俺の名前を呼んだ。


「君は誰だ?」


「俺は愛香の男だ…」


「…君が裕也!?」


目の前に立つのが紗月の元カレ。紗月の心と身体に取り返しの付かない深い傷を負わせた男か・・・



「愛香から50万受け取っただろ?」


「…確かに受け取った…だが、この50万は紗月から奪った金だろ!?」


「…紗月のポケットマネーだと…訊いている…。だから、お前の金じゃない」


「紗月の金?貴様は何処まで…紗月から金を巻き上げるんだ!!最低な男だな」



「愛香はお前の元カノだろ?」


「そうだ」



「紗月は俺の元カノ。運命の悪戯みたいだな・・・」

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