Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「いいから…金をよこせっ!!」


「貴様に渡す金は一銭もない!!」


俺は瀬川が待つ車の逆方向に走った。


「待てっ!!」


裕也はクセのある前髪を揺らしながら、逃げる俺を追い駆けて来る。


ヤツは夢とかそんな甘い言葉で愛香を騙したようだ…


元カノと言え、こんな男と付き合って欲しくない。



俺はビルとビルの隙間に逃げ込んだが、突き進んだ奥は行き止まりでコンクリートの高い塀が聳えていた。


「見つけたぞ!」





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