Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
《26》社長の休息

―紗月sideー

体調が戻りつつある一子会長が出社してくれる手筈になった。


伊集院ご兄弟は夜更けに帰宅。


私と怜の二人っきりになった。



遮光カーテンに閉ざされた寝室。時刻は8時を回ってた。


私は水枕の氷を取り替えてようとキッチンに足を運んだ。



「目覚まし時計がないけど…」



寝室に戻ると、怜が目を覚まして、サイドテーブルの目覚まし時計を探していた。



「隠したと言うか…」



「隠した?」


怜は神妙な顔で上体を起こした。




「今日1日は寝ていて下さい…」
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