Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
―怜side-
「三鷹市は都会と郊外の良さを両方兼ね備えた街です。子育て環境に重点を置き、その結果…若いファミリー世代の割合も増える一方。我が三鷹店の建物も老朽化し、リニューアルするには頃合いの時期だと考えています」
俺は三鷹店のリニューアルと三鷹駅周辺の再開発に便乗して、市内に小規模のスーパーをオープンする計画を進行させていた。
帝和銀行本店に足を運び、頭取室で融資の話をしていた。
伊集院頭取の隣に座っていた敦司さんが立ち上がり、内線電話を取る。
「神楽坂会長あてに外線?相手は??…判った」
敦司さんは電話を保留にして、俺を呼んだ。
「お話中失礼します。神楽坂社長あてに東亜医科大付属病院の産科医・槇村先生から外線は入っております」
「!!?」
紗月はまだ…9ヵ月…
産気づくには早いだろ!?
俺は電話に出た。
「お電話代わりました。神楽坂です…」
―――――神楽坂社長…落ち着いて訊いて下さい…奥様が早期胎盤剥離を起こしています。今から…緊急帝王切開で赤ちゃんを取り出します
「早期胎盤剥離って何ですか!?」
「先生!!?神楽坂さんが!!?」
電話の向うでは看護師の切迫した声で槇村先生を呼ぶ声が聞える。
―――――説明している時間はありません…母子と共に危険な状態なので…至急病院に来てください!!
落ち着いていた槇村先生の声にも焦りの色が。
槇村先生の電話は一方的に切れてしまった。
俺は三鷹店のリニューアルと三鷹駅周辺の再開発に便乗して、市内に小規模のスーパーをオープンする計画を進行させていた。
帝和銀行本店に足を運び、頭取室で融資の話をしていた。
伊集院頭取の隣に座っていた敦司さんが立ち上がり、内線電話を取る。
「神楽坂会長あてに外線?相手は??…判った」
敦司さんは電話を保留にして、俺を呼んだ。
「お話中失礼します。神楽坂社長あてに東亜医科大付属病院の産科医・槇村先生から外線は入っております」
「!!?」
紗月はまだ…9ヵ月…
産気づくには早いだろ!?
俺は電話に出た。
「お電話代わりました。神楽坂です…」
―――――神楽坂社長…落ち着いて訊いて下さい…奥様が早期胎盤剥離を起こしています。今から…緊急帝王切開で赤ちゃんを取り出します
「早期胎盤剥離って何ですか!?」
「先生!!?神楽坂さんが!!?」
電話の向うでは看護師の切迫した声で槇村先生を呼ぶ声が聞える。
―――――説明している時間はありません…母子と共に危険な状態なので…至急病院に来てください!!
落ち着いていた槇村先生の声にも焦りの色が。
槇村先生の電話は一方的に切れてしまった。