Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
怜は黙って、一番奥の保育器の前で車椅子を止めた。



「この子が俺と君の子・紗羅だ」


保育器の中に横たわる赤ちゃんは可哀想な姿だった。


私のお腹の中で元気に動き回っていたはず。頭に身体中についたコードが痛々しい。


「私のせいだ…私が・・・」



「紗月自分を責めるな…。お前のせいじゃない」


「でも…こんなの可哀想過ぎる」


出来るなら、私が代わってあげたい。


怜は自責の念に駆られる私を見て、面会を早々に切り上げた。




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