Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
病室に戻ると、怜は呟いた。



「紗月は無事とは言えないけど、俺の子供を産んだ。このまま離婚してもいいよ」



「怜?」


「紗羅は俺が引き取って育てるよ」


「怜、何を言ってるの!?」


「何って…俺は真面目に言っている」


「怜!?」



「君の命を危険に晒し、身体に大きな手術の傷痕を残してしまったコトは申し訳ないと思っている。でも、紗月は若い、人生のやり直しはきくと思うんだ。真剣に俺との離婚を受け入れてくれ」




「本気で言ってるの!?私達は本当の夫婦に・・・」


「本気だ」


「一子会長との関係は順調だし、どうして!?そんなコトを言うの?」



「俺が欲しかったのは後継者である男の子だ。2年以内と言う猶予の中で、それを達成しないと相続出来ない。帝王切開で生んだ君が次の子供を生めるのは1年以上先。有効期限内には無理なんだよ」



「怜・・・」


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