Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
私はNICUを出て、怜に電話を掛けた。
――――――どうした?紗月
「私…槇村先生から…紗羅のコトを訊きました。怜は私の子育ての苦労を考えて、離婚を言い出したんですか?」
――――――紗月!?
「怜…何があっても、紗羅は私と貴方の子供です。私も覚悟は出来ています」
―――――――紗月…俺は・・・
「半人前だけど、共に母親と父親になったんですよ。紗羅のコトを一番に考えてあげましょう。紗羅には私も貴方も必要な存在です。赤ちゃんは両親を選んで生まれて来ます。紗羅は私達を選んで、私達の子供として生まれて来たんです」
――――――紗月…俺は父親になったのに、君のコトだけを考えて、紗羅のコトを考えようとしていなかった。君の言う通り…一番に考えないといけないのは、紗羅のコトだ…すまない