Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「瀬川…」


「お婆様には内緒ですよ。執事の俺がお嬢様と手を繋いだと知られたら、思わぬ誤解を招きます」


「わかったわ」


私と瀬川は手を繋いだ。


普段は白い手袋で隠された瀬川の手。

爪は綺麗に手入れされ、指は長く、手の平は私の手をすっぽりと包み込んだ。



私の観たかった映画は少女漫画を実写化したモノ。


大きなスクリーンで観るキスシーンにドキドキと心臓が高鳴った。







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