Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~

―晴斗side-

俺は紗耶香お嬢様を宿泊している部屋に運び込んだ。


「飲み過ぎは禁物ですよ。お嬢様」


俺は彼女の履いていたヒールを脱がし、ドレスがシワにならないようにベットのシーツの上に仰向けに寝かせる。


親父と一子会長は互いに想い合いながらも、心に施錠した。


親父は同じ使用人の母を妻に迎えて、俺と妹を儲ける。


死んだ母が親父と一子会長のコトを知っていたら不憫でならない。



これは親父から受け継いだモノなのだろうか?



俺は紗耶香お嬢様を今でも想っている。


でも、貴方は俺の高嶺の花。


手の届かない世界の人。


俺はベットの端に腰を据えてお嬢様の寝顔を見つめる。久し振りに見るお嬢様の顔は俺の知るお嬢様ではない。


綺麗にメイクしてドレスで着飾り、綺麗なオトナの女性に変貌していた。


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