Fake love(1)～社長とヒミツの結婚契約書～

「えっ！？」


会長室には黒のスーツ姿の紗耶香お嬢様が応接ソファに座っていた。



「晴斗…昨日の見合いどうだった？」


「何とか無事に終わりました…」


「まぁ、座って…晴斗」


俺は頭の中に疑問符を浮かべながら紗耶香お嬢様の前に腰を下ろす。


紗耶香お嬢様の隣には一子会長が腰を下ろした。



「呼び出したのは他でもないわ。紗耶香のお世話をお願いしたいの」


「！！？」



「紗耶香が今度…議員秘書のバイトを始めるコトになって、バイトを始める前に秘書としての仕事を体験させたいと言うか…布津子にお願いされてね…」


「…急に言われても…困ります」



「そこを何とか…簡単な雑用でいいから…お願い。晴斗」


「・・・」


一子会長のたってのお願いだ。無碍に断るもコトも出来なかった。


俺は承諾して、紗耶香お嬢様を社長室に案内する。