Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
怜様は私を突き放した。
「会長とは仲悪いんですね…」
「向うが俺を嫌っているんだ…叔母様とは一生理解し合えないと思う」
「会長も油断していたようですね」
黙って状況を見守っていた瀬川さんが口を挟んだ。
「結婚しないと宣言しておいてよかった。瀬川の言う通り叔母様は油断していた。何としても…遺言状通り…コトを進めて、すべての財産を手にする。叔母様の好き勝手にはさせない」
前会長が残した遺産を巡る親族達の骨肉の争いか…
怜様は『愛してる』と言ったけど…
それは偽りであって、本当は愛していない。
私は今まで、相手の望むままに恋人を演じ、『スキだと言ってくれ』と言われたら、何の迷いもなく言って来た。
迷いがないのはキモチがこもっていないから。
怜様に好意があるから…
私は彼の偽りの言葉に胸が切なく、締め付けられるんだ。
「会長とは仲悪いんですね…」
「向うが俺を嫌っているんだ…叔母様とは一生理解し合えないと思う」
「会長も油断していたようですね」
黙って状況を見守っていた瀬川さんが口を挟んだ。
「結婚しないと宣言しておいてよかった。瀬川の言う通り叔母様は油断していた。何としても…遺言状通り…コトを進めて、すべての財産を手にする。叔母様の好き勝手にはさせない」
前会長が残した遺産を巡る親族達の骨肉の争いか…
怜様は『愛してる』と言ったけど…
それは偽りであって、本当は愛していない。
私は今まで、相手の望むままに恋人を演じ、『スキだと言ってくれ』と言われたら、何の迷いもなく言って来た。
迷いがないのはキモチがこもっていないから。
怜様に好意があるから…
私は彼の偽りの言葉に胸が切なく、締め付けられるんだ。