Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
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「私のわがままを訊いてくれてありがとう…」



私はお世話になっていた友人・美央のマンションから荷物を運び出した。
美央は仕事で不在で、彼女から貰った合鍵で部屋を開けた。


「これだけですか?」



瀬川さんは、ボストンバック1個と軽量に収まった荷物に驚いた。


「残りは…彼氏と住んでいたアパートに全部おいて来たから…」



「君に借金を押し付けて失踪した男の部屋ですか…」



「高校時代は素敵な人だったのに…」



「彼氏も上京して色々とあったんでしょう。この都会は誘惑が多い」



瀬川さんはトランクに私のボストンバックを詰め込んだ。


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