Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
駆け落ちした二人の間には俺が産まれた。

俺は満1歳を迎えた頃。
お爺様の手によって二人は見つけ出され、邸宅に連れ戻された。
お爺様は二人を許し、父と母は結婚する。でも、二人の仲を許せなかったお婆様と独身で邸宅に住む叔母様が母をコトある毎にいびり、自殺に追い込んだ。


父は俺が18歳の時に、お婆様は27歳の時に病で亡くなり、昨年、お婆様を追うようにお爺様が亡くなった。


死んだ父を悪くは言いたくないが、母を自殺に追い込んだ原因は父のエゴだ。


母は使用人の娘。


神楽坂家は元華族の名家。その血筋を頑に守っていたお婆様の実家は地元でも有名な名士の一族。


二人は幼なじみの関係のままでいれば良かったんだ…



父と愛し合って俺を産み、神楽坂家に嫁いたばかりに母は自ら命を絶ってしまった。






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