Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「何だ?」


怜はスーツを脱ぐ時間も惜しんで、ノートパソコンを覗き込んでいた。


「…来週の週末…病院に行くぞ」


「病院?」


怜は私の淹れたコーヒーのマグを受け取り、早速啜る。



「君には不妊検査を受けて貰う」


「どうして?」

重々承知しているが、そうあからさまに言われると反発したくなる。


「…何か問題があれば…困るからな…」


「私…産婦人科は嫌いなの…」
私の脳裏には忘れたい過去が去来する。


「貴方に問題あるコトだってあるでしょ?」


「俺は受けた…俺には全く問題がない。これが診断書だ」


彼はデスクの隅に置かれた封筒に入った診断書を私に渡す。




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