Fake love(1)～社長とヒミツの結婚契約書～

店舗視察の時は愛想よく振る舞い、従業員達に労いの言葉を掛けている。


優しく温厚なイメージしかなかった。


目の前に座る彼は全く別人で、口許に浮かべる笑みは冷たい。



「これが俺の作成した契約書だ」



「これって！！？」



彼がテーブルに広げたのは婚姻届。



「君には俺と結婚してもらい、１年以内に俺の子供を妊娠してもらう…それが仕事内容だ」



「妊娠って…！！？」


私は頓狂な声を出してしまった。