Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
私は怜の目の前で中絶の欄に2と書き込んだ。


「・・・」


怜の切れ長の瞳が見開いた。


「紗月…?」


「失踪した裕也の子供2回中絶してるの」


怜の瞳は狼狽し、宙を彷徨った。



「だから…貴方の子供は産めないかもしれない…」


私は問診票を書き終えて受付に提出した。


予約の時間帯まで少し時間があるので、奥の休憩スペースのベンチに腰を下ろす。



「最初に言えば、良かったけど…私にとっては思い出したくない過去だったから…」


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