キミと帰る道





(すず)





ちゃんと一歩を踏み出した。
だから…もっともっと足を踏み出す。





付き合うとかそんなんじゃなくて。
ちゃんとした〝友達〟になることが目標なんだ。





難しいとかそんなのわかり切ってる。
だけど、ゆっくりでいいから。
だけど冬が来るまではにはちゃんと…〝友達〟になれるといいな。





「行って来まーす!」




「気をつけるのよ〜」




「はーいっ」





勢い良くドアを開けて外に出る。





カーディガンを羽織ってくればよかったかなあ。
ブラウスだけだと、ちょっぴり寒い気がする。





だけど家には戻らないで、通学路を歩き出す。





足取りは軽いけど。
しっかりと足を地面に着けて歩く。





下は見ないで、ちゃんと前を向いて。
いまの気持ちと比例するように。





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