キミと帰る道
*
放課後———。
季節が変わるのと同時に、日が落ちるのは早くて。
前よりも早く、教室はオレンジ色に染まった。
「すずー! あたし部活行ってくるね!」
「あたしも行ってきまーす!」
優芽ちゃんは〝Track and field〟と書かれたエナメルをななめにかけて。
聖羅ちゃんも、つい最近入った女子サッカー部のエナメルをななめにかけた。
「ふたりとも、がんばってね!」
「また明日ー!」
「ばいばいっ」
ふたりに笑顔で手を振る。
やっぱり運動音痴の私にとって。
運動部に入って、汗を流すふたりはかっこいいや。
「……はぁ…」
諦めるって決めたのに。
そういえば、帰る約束をしてたのを思い出した。
早く告白して…フられちゃったほうが楽だよね。
でも、まだ…心の準備ができてない。
フられる…準備はできてないよ。