キミと帰る道
……でも。
やっぱり、このまま…この溢れそうな気持ちを忘れられるのを待ったほうがいいのかな?
だって、告白してフられて…。
気持ち的にはスッキリするとしても。
〝友達〟という関係が壊れたら…嫌だもん。
どうせなら。
せっかく覚えてもらったんだから、このまま〝友達〟っていう関係を貫きたいや。
「…すず」
柔らかい声が聞こえて。
机の上に置く握りしめた拳から、私の机の右側に立っていた藤谷くんを見上げる。
「…一緒に帰ろうって約束しただろ?」
「ん、そうだね…っ」
藤谷くんに笑顔を見せて。
カタンと席から立ち上がる。
「帰ろ! 藤谷くんっ」
ずーっと友達でいいや。
友達としてこうやって笑いあえればいいや。
だって、ここまで我慢してがんばったから。
それだけでもう、十分なのかもしれない。