キミと帰る道
「……病気?」
気がついたら、肩を並べながら駅に向かって歩いていた。
「いや、そういうんじゃねーんだと思うけど」
「……そっかー…」
どういう理由があるんだろう?
人が苦手で…そこまでして、人を遠ざけたいとか?
そこまでひどい物忘れとかだとしたら、病気じゃないのかな?
「大丈夫なの?」
「…あぁ、まあ…」
助けてあげたいのになあ。
もしも、人を遠ざけたいとかじゃないなら…。
人に迷惑かけたくなくてもかけちゃうってことでしょ?
「あ! 藤谷くんは…私の名前知ってる?」
きっと知らないだろうけど…。
予想通り、藤谷くんは黒い髪を揺らしながら首を振った。