キミと帰る道
「華菜ちゃんも…きっと、変わってる藤谷くんのことを喜んでるんじゃないかな?」
私がそう言うと、藤谷くんはオレンジ色に染まる空を見上げた。
…屋上で、よく空を見上げてたのは。
いまやってるように、華菜ちゃんのことを考えてるときなのかな?
「そうだといいんだけど。
華菜は…俺のこと恨んでねぇのかなってこの頃思うんだよな…」
そんなこと…、あるわけないじゃん。
華菜ちゃんは、恨んでなんかないよ。
「藤谷くんまで死ななくて、よかったと思ってるはずだよ。
だから、華菜ちゃんの分まで楽しんで生きなきゃね…」
「華菜が本当にそう思ってればいーんだけどな…」
「思ってるよ!」
きっと、藤谷くんのことが大好きだった華菜ちゃん。
一緒にお買い物に行くぐらいだもん。
華菜ちゃんが藤谷くんを嫌いなわけがない。