キミと帰る道
(すず)
犬の散歩をしている女の人にも、楽しそうに帰る小学生にも、変な目で見られるけど。
それでも、こんな気持ちを振り切るために、走るんだ。
涙はどんどん、風に流れて飛んでいく。
ブラウスの袖で拭っても拭っても、留めなく零れていく。
もう、遅いのはわかってる。
もう、後戻りできないのもわかってる。
でも、こうなったからは仕方ないんだ。
どんなに辛くても苦しくても悲しくても。
もう告白してしまったんだから、どうにもならない。
もう、〝友達〟ですらいられないじゃん…。
せっかく覚えてもらったのに。
せっかく仲良くなったのに。
「…ふぇ…っ」
どんなに走っても、泣いても、この気持ちが振り切れない。