キミと帰る道
*
教室に着いて、自分の席に腰を掛けて。
私は頬杖をつきながら、ぼーっと空を見上げる。
雨が降りそうな天気だなあ…。
そんな、いまにも泣きそうな空はやっぱり私の心と比例してるんだ。
「すず!」
するとすぐに、息を切らした優芽ちゃんと聖羅ちゃんが私の周りに立った。
「どうしたの…?」
「なんかすずちゃんと光輝が変だから、光輝に聞いたの…」
「……そっか」
もう知ってるんだよね。
フられたこと……。
心配かけないように、作り笑いをふたりに見せると。
聖羅ちゃんは泣きそうな顔をした。
なんで、聖羅ちゃんがそんな顔をするの…?
「…ごめんね。 あたしのせいだよね」
「どうして?
聖羅ちゃんは、なんも悪くないじゃんっ」
そう言われると、もっと悲しくなるよ…。
だって、藤谷くんが聖羅ちゃんを選んだのに…。
ただ、それだけなのに。
だから聖羅ちゃんはなにも悪くないんだよ。