キミと帰る道











教室に着いて、自分の席に腰を掛けて。
私は頬杖をつきながら、ぼーっと空を見上げる。





雨が降りそうな天気だなあ…。
そんな、いまにも泣きそうな空はやっぱり私の心と比例してるんだ。





「すず!」





するとすぐに、息を切らした優芽ちゃんと聖羅ちゃんが私の周りに立った。





「どうしたの…?」




「なんかすずちゃんと光輝が変だから、光輝に聞いたの…」




「……そっか」





もう知ってるんだよね。
フられたこと……。





心配かけないように、作り笑いをふたりに見せると。





聖羅ちゃんは泣きそうな顔をした。
なんで、聖羅ちゃんがそんな顔をするの…?





「…ごめんね。 あたしのせいだよね」




「どうして?
聖羅ちゃんは、なんも悪くないじゃんっ」





そう言われると、もっと悲しくなるよ…。
だって、藤谷くんが聖羅ちゃんを選んだのに…。





ただ、それだけなのに。
だから聖羅ちゃんはなにも悪くないんだよ。





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