キミと帰る道
「朝、告白されたけど断ったって光輝言ってたよね? どうして?」
「それは……っ」
聖羅を裏切れないから。
…そう言いたいのに、上手く言葉が出てこない。
「まさか、あたしのためとかじゃないよね?」
いまにも泣きそうな、聖羅。
なんでそんな顔すんだよ…?
そう思いながらも俺はコクンと静かに頷いた。
「…っどうして!? そんなの同情だよっ。 なんで…、どうして…?
光輝の気持ちは……っ」
「もう、いいんだよ」
きっと、すずは俺といても苦しむだけ。
だって…また忘れたらどうしよう、っていつも思うんだ。
聖羅は目に涙を溜めながら、俺のことを強く睨んで来た。
「本当に、言ってるの…?」
「あぁ」
「っじゃあ…」
聖羅はそう言いかけたところで、口をつぐんだ。