キミと帰る道






「……じゃあ?」




「光輝が諦めるなら…。
あたしと…付き合ってくれるの?
あたしにもチャンスをくれてるんだって思ってもいいの?」




「……せいら…」





俺は人を傷つけすぎだ。
俺は人のことを覚えられないから、たくさんの人に迷惑をかけるし。





何回か話した人のことも忘れるから。
きっと、侮辱されたような気持ちになってるはずだし。





…それだけじゃなくて。
俺が覚えた人のことすら、傷つけてる。





「あたしは…光輝がいいなら、付き合いたい。
だって、好きだもん…っ」




「……いいよ…」




「っへ?」




「聖羅は付き合いたいんだろ?」





とことん俺は最低なんだ。
でもこれ以上聖羅を傷つけたくなくて。
これで聖羅が傷つかなければ、それでいいから。




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