キミと帰る道
(聖羅)
あたしは本当にずるいと思う。
…こんな無理やりに光輝と付き合って、なにが得なのかわからないけど。
ただ、好きだから。
それだけだけど。
それでも、光輝と付き合えるなら嬉しいんだ。
だって光輝は…すずちゃんの告白に頷かなかった。
昔からあたしがそばにいたからか、光輝は罪悪感からか知らないけど、断っちゃったんだ。
そんなあたしは…きっと邪魔者なんだ。
だけど、あたしだって恋がしたい。
…そう思うあたしは、やっぱりずるい。
「光輝は本当にいいの?」
冷たい風が強く吹いて、あたしは光輝の隣に座りながら、小さく丸まった。
「…いいんだよ」
「あたし、もう…応援だってしないよ」
「あぁ」
ふたりの恋が実ればいいのに。
そう思って諦めようとだってしたけれど。
…ふたりが諦めちゃうなら。
ふたりの気持ちを知りながら。
あたしは…自分の気持ちに正直になっていいよね?