キミと帰る道
「どっちもどっちじゃん?」
優芽ちゃんは少し苦笑いを見せながらそう言った。
「私も、どっちも可愛いと思う…」
だけどなぜかあみちゃんと聖羅ちゃんは納得いかないようで。
まだ『こっちのほうが可愛い』と言いあっている。
そんなふたりを見て、私と優芽ちゃんは顔を見合わせて笑う。
「俺はこの子が可愛いと思うよ〜」
低い声が聞こえて、そこを見てみると。
藤谷くんの周りに集まってる男の子が、あみちゃんの後ろから雑誌を覗き見していた。
「えー佐藤ってばセンスない!」
あみちゃんが佐藤と呼ぶ男の子は、どうやら聖羅ちゃんの選ぶ女の子を言ったみたいで。
あみちゃんに切れられる佐藤くんは、ため息を吐いて、ふたりから雑誌を奪い取った。