キミと帰る道





「なー光輝〜。
どっちが可愛いと思う?」





佐藤くんはその雑誌を藤谷くんの机の上に置いた。
それを藤谷くんだけじゃなくて、その周りにいる女の子や男の子たちも身を乗り出して見ている。





…藤谷くん、名前で呼ばれるようにもなったんだ!
友達、できたんだね。
なんだか、ものすごく嬉しいよ。





そう思うのは。
たとえ避けられてるとしても。
私にとって藤谷くんは〝友達〟だから。





「俺は…別に興味ない」





そんな冷たいこと言っても。
周りの子たちは『興味持ちなよ』と楽しそうに笑ってる。





変わったの、藤谷くんだけじゃなくて。
藤谷くんを見る周りの目も、変わった。





だからその分、前よりも女の子も近寄って来るわけで。
ほんの少しだけ、嫉妬しちゃうんだ。





でもそんなのは私よりも。
彼女である聖羅ちゃんのほうが、嫉妬してると思うんだ。





だけどね。
ふたりがくっついて、よかった。
本当は悲しんだり苦しんだりするはずなのに。





心の底から、嬉しかった。





そう思えるのは、進めてるってことなんだよね?





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