キミと帰る道











放課後、私と優芽ちゃんは近くにある大型のショッピングモールに足を運んだ。





「あれ可愛いっ」





ショーウィンドウに飾られる服を見るために立ち止まると。
優芽ちゃんも足を止めた。





「げ。 高い…」




「うわっ、本当だ…」





優芽ちゃんの言う通り、その服の下には私のお小遣いじゃ足りないくらいの値段が書いてあった。





やっぱり、手に届かないモノって多いよね。





身近にあるのに。
どんなに手を伸ばしても。
キラキラと輝くモノは…手に届かない。





羨ましくて。憧れで。
だけど憎いだなんて気持ちはこれっぽっちもない。





大好きなふたりは、私にとって輝いている存在なんだ。





「聖羅ちゃんもいればよかったなあ」




「なんの用事なんだろうね?」




「んーわかんない」





そのお店の前から立ち去って。
またいろいろ専門店を少し覗きながら、モールの中を回っていく。





< 156 / 228 >

この作品をシェア

pagetop