キミと帰る道





ただ好きなだけ。
ただ想うだけ。
……それだけじゃないの?





この恋は辛くて悲しいことだって最初から覚悟してた。
でも、こんなにも辛くてこんなにも悲しいことだなんて、知らなかった。





泣くだけじゃ、なにも消えないこの気持ち。





「……ごめんっ…」





好きになってごめんなさい。
しつこく話しかけてごめんなさい。
藤谷くんの気持ちも知らずに、病気が治るように手伝ってごめんなさい。





…もう忘れるから。
〝友達〟だとも思わないから。





だから、私が忘れる前に。
藤谷くんの記憶から私を消してほしい。
話さなければきっと忘れてくれるよね?





…そしたら私も。
キレイさっぱり、藤谷くんのことを忘れられると思うから……。





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